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ホテルの一室。

「日本人はやっぱ頭可笑しいな」

俺の呟きに、報酬出るんだから我慢すれば?とごもっともな意見が隣からした。

「…けどなあ」

視線を向けた先には、学生服を着た女の子が寝ている。
落ち着いて呼吸を繰り返しており、まだ起きる気配は無さそうだった。

コンコン、とドアがノックされ、どうぞ、と答える。

「起きたか?」

「まだ、だな」

「…そうか」

「何考えてんだ?」

わざわざイタリアから俺らを呼んで、ガキのお守りか?

「いや、…内容はそうなんだが」

色々と面倒事があるんでな。

「ふーん、イワクツキってやつ?」

「茶化すなよ」

苦笑を浮かべるのは望月相草(モチヅキアイゾウ)。
人の良いお爺ちゃんだと思ったら大間違い。
こいつも俺らと同じ、裏の世界の生き物だ。

「…頼んだよ、サングエ」

「ああ」

部屋を出て行こうとする、望月が振り返った。

「くれぐれも、問題は起こさないように」

「…Si.」