低く、力強い声。
その声は、その男達ではない、“誰か”が発した言葉だった。
「は?誰だよお前」
「誰だっていいだろ。それよりその手離せ」
そう言葉を発したのは、
きれいなキャラメル色をした髪、
鋭い目つき、
整った顔。
私に絡んできた男たちに負けないほどの、迫力だった。
「もっと大きい声で話さないと、聞こえないなー」
男たちは、キャラメル色の髪の男に向かって、大声で話す。
「聞こえねぇのか?その手離せって言ってんだよ」
男はフッと笑うと、私を捨てるように、雪の上に投げ込んだ。
「きゃ」
「離したぞ?これでいいんだろ」
男たちは笑いながら、私の横腹のあたりをけってきた。
「てめぇら・・・」
────私はそこで、気を失った。