人は、"そのまま"に継続を行うことが
どうしようもなく、不器用だ。
堕落なんて一瞬。
精進はほど遠くて…
なのに、一番不可能なのは
維持することだ。
川辺りを走る子供たちは、みなキラキラとした笑顔を生んでいる。
それを見つめる大人たちは
黒く淀んだ瞳を隠し、同じ様に、笑ってみせる。
この世界に、本物なんて存在したのだろうか。
悲しいときに笑い
辛いときに、それでも笑う
人と人が付き合っていくということが、そういうことならば
この世界は、偽物だらけだ。
真実など、皆目見えやしない。
覆い隠すね。
偽物が、本物を。
事実が、真実を。
だからあたしは隠せなかったんだ。気づかぬフリさえ、できなかった。
真実は、いつだって優しくなんかいてくれないのに
あたしは自ら、その傷を負う。
事実を事実のままに、信じられたのは
きっと、何よりも自分を守る術だったろう。