冷蔵庫の中の物を適当に漁り、余り物の野菜を切り


味付けも適当に野菜スープを作ると、とりあえず体を動かせる程度に胃を満足させた。



鳴り響く携帯を無視して、顔を洗う。



隈のひどい目元に、浮腫んだ顔回り。



あまりにも、悲壮感が漂い過ぎている。



のりの悪いファンデーションを無理矢理塗りたくり、手で叩きこみパウダーを馴染ませる。


なんとか、いつもどおりのベースにまでもっていくと、時間を確認し

少しペースを上げて、顔を作り出した。





どれだけあたしの心が痛くたって、そんなの誰かの知ったことではない。



愛を失う瞬間に、どこかでは誰かが愛を手に入れる。




世界は広い。


なのに、あたしが映す世界は
こんなにも狭い。