『だからって俺の店に来るなよ。由梨はこんな時泣きつく友達とかいないの?』



文句をいいながらシェイカーを振りカクテルを作り上げ、私の前に置く。




「私は飲んで愚痴りたいからここに来たの」


話を聞いてくれる親友くらいいるわよ!


ただ新婚ホヤホヤな彼女や、結婚間近な彼女。

色んなことを話せる2人の親友は幸せ真っ只中なんだから私の話を聞かせるのはちょっと…ね。


幸せ彼女らに不幸が伝染したら責任とれない。なんてそれは冗談だけど。



けれど幸せな彼女たちには心配させたくない。だから弟のバイト先のBARに来た。




目の前にいる弟の義彦を一睨みしてから出されたオリジナルカクテルをクイッと喉に流し込んだ。





ビールなんか比じゃないアルコール度数の高さ。カクテルが喉を通り抜けた後、喉が熱く感じた。


テキーラをイッキ飲みしたのと似たような感じ。

なのにそれを感じさせない口当たりのよさ。




「さすが義彦ね。このカクテル飲んだら普通の女の子は1杯で間違いなく泥酔よ。お持ち帰りも楽勝ね」