「へぇ…。」
興味がないのか、早く話を終わらせたいのか、はたまたどっちもなのか。
抑揚がなく、素っ気ない声を出す先輩。
でもまあ、とりあえず耳を傾けてくれてるのだけは伝わった。
『180センチの長身でー、形の良いピンクの唇。
切れ長の二重の人があたしの理想の王子様だったんです。』
まさに、先輩みたいな人。
あの頃の自分から見ると、今、その王子様が目の前にいるなんて信じられない。
…きっと、先輩とこうして出逢って、付き合えただけでも奇跡なんだ。
だけど、まだまだ足りない欲張りなあたしは、更なる奇跡を起こしたくって。