「…お前は。」

『……??』

「俺の、どこが好きなわけ??」




体が、胸が、鼓動が。

全て止まった気がした。


変わりに押し寄せてくるのは、込み上げてくるような胸の痛み。



…先輩があまりにも真っ直ぐあたしを見てくるから。


一瞬、その目に吸い込まれるんじゃないかと思った。



『…うーん。そうだなぁ…。』



いつもとは違う空気を取り払うように、無駄に声を張り上げるあたし。


張り詰めた空気はやりづらくて、あたしには合わないような気がする。


けれども、へヘッと怪しい笑いを浮かべたのはあたしだけで、先輩は至って真面目な顔をしていた。