先輩は冷静でありつつも、悔しそうに唇を噛んでいた。



…先輩、敗れたり。



『ってことで先輩、一緒にお弁当食べましょう??』



そう言いながら、さっき机に押し付けたお弁当をもう一度持ち上げて、先輩に差し出す。


先輩は視線だけをお弁当に向けたあと、辺りを見回した。



…多分、周りを気にしてるみたい。



『……。』



まぁ確かに、ここは三年の教室。


二年生のあたしにお弁当を差し出されている先輩は、周りからたくさんの視線を受けていた。


彼女かな、なんて噂してる人もチラホラ。


先輩の友達らしき人は『ヒュー』なんて言って、はやし立ててる。