そうと決めたあたしは、早速歩き出した。


もちろん、

果歩たちのところにではなく、マイホームへ帰るために。



果歩たちの視線が痛いほど感じるけど、そんなの気にしない。


強行手段だ。



「…あ、ちょっと!」


もう少しで店内から出れるというところで、不意に腕を掴まれる。



乱暴にそれを引き剥がそうとしたけど、腕を掴む手のひらはビクともしなかった。



…もぉ。

なんなのよ。



『…離してください!』



なかなか店内から出られないもどかしさに、声を張り上げながら振り返るあたし。


『……っ!』



だけど、その数秒後には、あたしは声にならない声をあげていた。