…だからこそ。


結愛と一緒に、“好き”な気持ちを見つけてみたかった。


結愛と“恋”、をしてみたかったんだ。



『……。』



ふと空を見上げたと同時に、聞こえてくるドタバタ音。


俺の頬が、自然と緩むのを感じた。



…来る。

結愛が、くる。



このトテトテっていう効果音は、結愛特有だ。



「せーんぱい!!!!」



…やっぱり、な。


存在を確認しつつも、緩む頬を隠すために、背を向けたまま。