このトキメキ、先輩にしか感じないの。


先輩、だけなの。



『あの…っ』



声が、震える。


当時は簡単に口にできた言葉が、今は喉につっかえて、なかなか言葉にすることができないの。


“好き”の重みを、知ったから。



『…きなの。』

「……。」

『先輩が…っ!大好きなのっ…!』



頬が、熱くなる。


何度も走りながら予行練習していた言葉は全て崩れ落ち、結局“好き”しか残らなかった。



それぐらい、好き。
計画が全て狂っちゃうぐらい、好き。