…なぁ、結愛。

頼むから、幸せになって。


じゃないと俺の立場がないし、俺の好きな笑顔が見られないから。



そして、先輩には結愛を幸せにしてやってほしい。



まだ、“頑張れ”なんて言えるほど大人じゃないけど。


俺は、先輩だから譲ったんだから。



…先輩なら、結愛を幸せにできるはず。



『…5限目サボろっかな。』



珍しく。

今は空を眺めていたいから。



俺は芝生に寝っころがい、真っ直ぐと空を見渡したのだった。