〈豊サイド〉 『あっ結愛!先輩は中庭にいたよ!』 どこに先輩がいるかも知らないくせに、先輩の元へと駆け出す結愛。 そんな無計画な結愛の背中に、慌てて声をかける。 そしたら結愛は 「ありがとー!!」 と、手をブンブン振って、また走り出していった。 …なんていうか。 本当、危なっかしい。 このまま先輩が見つからなかったら、どうするつもりだったんだろう。 …結愛のことだから、勢いなくして、諦めてしまうかもしれない。