――結局。


どんなに悪口を並べようとしても、出てこないの。


好きなとこしか、浮かんで来ないの。




『…っ…お弁当を渡すときの仕草とか……っ…

…大好きだったのに!!』



やっぱり、気持ちをごまかすなんて、あたしにはできなかった。


涙だけじゃ悲しみが留まらず、あたしはヒックヒックと声をあげて泣く。



『…あたしっ、ちゃんと先輩のこと好きだったよ…っ…!』



最初は不純な動機で、外見から入った恋だけど。


いつの間にかちゃんと、あたしは“恋”していた。