『…無理。』 「えっ…??」 『結愛は、渡さねぇよ。』 きっと、こんな賢治先輩のこんな真剣な瞳、誰も見たことないだろう。 密かな賢治先輩ファンや、…結愛でさえも。 それぐらい、今の先輩の瞳は澄んでいて、偽りがないものだった。 ――――――――――… ―――――――――… ――――――――… 『こんなの、勝ち目ねぇじゃん。』 結愛は、先輩が好きなんだから。 先輩が本気になれば、勝てるわけないんだよ。