『…無理。』

「えっ…??」

『結愛は、渡さねぇよ。』



きっと、こんな賢治先輩のこんな真剣な瞳、誰も見たことないだろう。



密かな賢治先輩ファンや、…結愛でさえも。



それぐらい、今の先輩の瞳は澄んでいて、偽りがないものだった。






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『こんなの、勝ち目ねぇじゃん。』



結愛は、先輩が好きなんだから。


先輩が本気になれば、勝てるわけないんだよ。