…だけどさ、先輩。

先輩もバカだよ。



あたしが先輩のこと、嫌いなはずないじゃん。


あたしは先輩のこと“大好き”なのに。



雄大くんよりも、誰よりも、ずっと。


先輩自身が、好きなんだ。



――だけど、この想いは交わることはない。




あたしは一目なんか気にせず、大声をあげる。



空は濁り、今にも雨が降りそうだった。