メールだって、短文ながらも返してくれるとこ。

お弁当を米粒1つ、残さず食べてくれるとこ。


あたしは先輩の優しさをいっぱい知ってる。



今回のヤキモキ大作戦だって、束縛したりしない先輩の優しさだったかもしれない。



…なのに。

あたしは、話を聞こうとしなかった。


事実を知ることから、逃げていたんだ。



『…ごめんねっ。先輩。』



中庭でこんなに泣いてるんだもん。


たくさんの人からの視線が、あたしに降り注いでいた。