“これは果歩のため”


そんな風に、自己暗示をかける。



こんな時思い浮かぶのは、皮肉にも先輩の顔。


…しかも、想像上の先輩は「くだらない」とか言って、冷たい暴言を吐いてやがる。



「…結愛ちゃん!?」



なんだか、泣きたくなった。


同時に込み上げてくるのは、最大級の虚しさ。



…ただ、先輩にヤキモキ妬いてもらいたかっただけなのに。


なんで、こんな風になっちゃうんだろう。



あたしは、先輩に対して人が良すぎるのかもしれない。


だって今、先輩が“かわいそう”って思ったんだろう。