はぁ、とあたしは1つ溜め息。 …仕方ない、 果歩のために一肌脱ぎますか。 意を決したあたしは、笑顔で田中くんに声をかけたのだった。 『…君って、名前なんていうの??』 やたら明るい声で、笑顔で話しかける。 歩き始めてしばらくたってから名前を聞くなんて、おかしな話。 だけど、元は名前なんて興味なかったし、聞くつもりもなかったんだから。 聞いてあげただけ、マシだと思う。 っていうか、あたしって友達思いだよね。