「…王子様に会えるかもよ??」

『行くっ!!』



果歩の一言で、微妙だった天秤が、一気に180度回転。



…そうだよね!


待ってても王子様が現れないなら、

自分から王子様を探すのみ!



『待っててね!あたしの王子様!』



調子に乗ったあたしは、椅子に上がると、

どこかにいそうな勇者のポーズを決めてみる。


そんなあたしを、果歩は呆れた様子でみていた。



――この時のあたしは、それほど深く考えていなかったのかもしれない。


まさか、この合コンで、


『王子様』に出逢うなんて、思ってもいなかった――。