そこにいたのは、波留都先輩だった。


「…ど、どうしたんですか?」


目を見開いて聞くと、先輩は安堵のため息をつきながら言った。


「いや、元気なさげだったから…。元気ならいい。悪かった。」


そのまま波留都先輩は行ってしまった。


色んな人が心配してる。


色んな人に迷惑かけてる。


こんなんじゃいけない。


別に付き合ってる訳でもないのに――


私が落ち込むようなことじゃない。


私は自分の頬をパチンと叩いて、言った。


「よし!充電完了!」



もう、誰かの前で泣いたりしない。


例え、先生がまた私の前で他の人とキスをしていても――


それでも、私は先生の幸せを願えるように――


今は、もう少し時間をください。









「ちぃ!今日、チョコの材料買いに行こー」


「おー」


気怠い返事をしながら、ちぃは思い出したように言った。


「アンタ、今年、夾くんにはあげないの?」