あの日以来、私は補習で先生に会っても、目すら合わさなかった。


先生はそんな私の異変に気づいてくれたかな?


新学期が始まっても、先生のところに行かなかった。


いつの間にか、先生と私を繋いでたあのパイプイスにも他の誰かが座るようになった。


結局、先生にとって私なんてちっぽけな存在だったんだって思い知らされて、また涙が溢れた。


「もうすぐでバレンタインだね~」


ちぃはポテチを囓りながらしみじみ言った。


「そうだね。」


「琉珈は誰にあげるの?」


一瞬、先生の顔が頭をよぎったが、すぐにかき消し言った。


「波留都先輩とー…ちぃ。」


「すくなっ!宗方先生にはあげないんだ。」


「…なんで?蒼吾先生にあげる理由なんてないもん。」


「さらっとひどいこと言うね…。」


その日の昼休み、蒼吾先生にプリントを渡そうと、職員室までやってきた。


「誰もいないじゃん。」


職員室はもぬけのからだった。


「入り口で何やってんだ?」


バッと振り返ると、そこには――