「半分当たりかな?服選んでたの!」


ちぃはそっか、と笑って歩き出した。


あたしもついて行く。


「今日、何買うの?」


歩きながら、聞いた。


「ん~、とりあえず、材料じゃない?ケーキは買うとして…」


二人で色々模索しながら、買い物は難なく済んだ。


ちぃの家に着くと、おばさんが出迎えてくれた。


「琉珈ちゃん、いらっしゃい。たくさん買ったのね~」


おばさんはびっくりした顔で買い物袋を凝視した。


「うん。結構、来るからね。」


ちぃはおばさんと適当に言葉を交わすと二階を指さして行こうか、と合図する。



部屋に入ると、ちぃは単刀直入に言った。


「琉珈は、原田先生に彼女いるって言ったよね?」


「う、うん…」


ちぃの迫力に気圧されてしまう。


「あれ、嘘だと思うよ。」


「えっ?」


ちぃはニッコリ笑って言った。


「他の子がね、先生にクリスマスは彼女と過ごすんですかーって聞いたら、先生は、そんなもんいねえよ。男の旧友と過ごすけどな。って言ったんだって。」



「それって…」


ちぃは、謎解きをするような口調で言った。


「つまり、アンタはからかわれただけ。」