とりあえず…帰ろう。


ずっと見ていても仕方ない…よね。


私は、クルッと後ろに体を向けると、来た道を足早に歩き始めた。


そういえば九条君…
さっき電話で話をしてた時も、最後には嬉しそうな顔してたっけ…。


急いで自習室から飛び出して行ったのも…あの人に会えるからだったんだ…きっと。


そっか…。


歩く途中、私は何度もため息をこぼしていた。