えっ…? 声の方に視線を向けると、九条君が出てきたお店から、慌てて飛び出してくる女性が映った。 水色の半袖のカーディガンに、白い膝上のフンワリとしたスカート。 背はスラリと高くて、肩にかかるぐらいの長さの黒髪は、サラサラと揺れている。 九条君のところへ駆け寄っていく後ろ姿は、とても柔らかい雰囲気だ。 誰……なんだろう?