「ちょっと!九条君…!」 手首を振り解こうとしても、強く握られているせいかビクともしない。 図書室に行きたいのに、どんどん距離が遠くなっていってしまう。 「離してよ…。」 「それは出来ねぇな。もう捕まえたんだから、離さない…。」 廊下ですれ違う女の子たちの驚きと悲鳴を浴びながら、私は九条君についていくしかなかった。 どうして、こうなるの…?