わ、私を?
なんで…?


頭には無数の疑問符が浮かぶ。


真っ直ぐ視線を向ける九条君に、私は瞬きを何度も繰り返した。


「ま、待っていてもらっても困るわよ…。私、これから図書室に行くんだから。」


そうよ、図書室!
朔矢君と勉強して、充実した時間を過ごすことになってるんだもん…。


九条君と話をしている場合じゃない。


止めていた足を動かそうとすると、手首を掴まれてしまった。