「紗智ったら朔矢君といい感じね〜。勉強するだけじゃなくて、ちゃんと二人の仲も深めてきなさいよ?」
ツンツンと汐莉に肘で軽く脇腹を突かれた私は、体が跳ねた。
「変なこと言わないでよ。朔矢君とはテストの対策勉強をするだけなんだから…。」
先ほど床に落としてしまったペンをアタフタしながら拾いあげると、汐莉はニヤリと笑みを浮かべた。
「勉強もいいけど、恋もいいよ?すごく素敵な気持ちになるんだから!」
もう…
またそれだ……。
数えきれないほど聞いたよ、その言葉……。
思わずため息が零れそうになる私を見ながら、汐莉はゆっくりと立ち上がった。