「…どうかした?さっちゃん。」


朔矢君の声に、慌てて視線を九条君から逸らす。


不思議そうな表情をしている朔矢君に首を横に小さく振った。


「なっ…何でもないの。あの…、放課後…本当にいいの…?」


「もちろん。さっちゃんとなら喜んで。」


爽やかに微笑んでくれる朔矢君に、私も笑顔を返した。


「それじゃあ…、よ…宜しくね。」


「うん。宜しくね。そろそろ授業始まりそうだから、席に戻るよ。また後でね。」


朔矢君は立ち上がって、私に小さく手を振った後、席に戻って行った。