「あ!久々に来たね、春石先輩。」


汐莉が、こっそりと私に耳打ちをする。


「春石先輩…って誰?」


私も小さな声で聞き返すと、汐莉が目を見開いた。


「紗智ったら、あの先輩を知らなかったの?春石 瑞希(ハルイシ ミズキ)先輩って言って、次の綺斗君の有力な彼女候補だって影では噂されてる人だよ。」


「へぇー…。初耳だった。」


ボソッと呟くと、汐莉は少し呆れ気味に小さくため息をついた。


九条君の周りにいる女の子たちのことなんて、私には関係ないんだから知ってるわけないじゃん…。


どうでもいいもん。