あれだけたくさんの女の子から、そう言われる九条君は、やっぱりただ者じゃないな……。


ハハハ…と苦笑いを浮かべていると…



『綺斗くん、私と付き合ってくれる約束じゃなかったっけ?』


スッと通る声に、九条君の周りにいた女の子たちが静かになる。


一斉に視線が向けられた教室の入り口から、スタスタと背の高い女子生徒が入ってきた。


ウェーブがかかった栗色の髪の毛は、腰より少し上の辺りまで伸びていて、歩く度にフワフワと揺れている。


上品に化粧をしていて、とても美人な生徒だ。


どこのクラスの女の子だろう…?