なっ…何!?


突然のことで、頭が真っ白になる。


九条君は、そんな私の耳元にゆっくりと顔を近付けた。


「心が大きく揺さぶられた…。」


「えっ……」


ビクン…と体が反応してしまい、なんとか九条君から離れようとしたけれど、強く抱きしめられた。



「眼鏡外した時の紗智見たら…心が完全に奪われそうになった。いや、もしかしたら……奪われたのかもな。」


私の背中に回されていた手が、スルスルと後頭部にやってきて、髪を撫でる。


「今まで見たことねぇよ…そんな澄んだ瞳…。綺麗すぎて…見惚れた。」