「とにかく、コンタクトはしないからね…。そんなの、私の自由なんだから、別に…どうだっていいでしょ?」


私がテーブルの上のカバンを取って帰ろうとすると、九条君がガタッと席から立ち上がった。


「俺はコンタクト…いいと思うけどなぁ…。眼鏡してる紗智も可愛いけど、外した時は……」


九条君と視線が不意に重なり、パッと慌てて逸らす。

早く帰ってしまおう…。


そう思ってカバンをギュッと握った瞬間…


九条君に抱きしめられてしまった。