「紗智は本当に表情が硬いよな。俺の前でも笑ってよ…。あの写真みたいに。」
「笑う気にもなれな……きゃっ!!」
体が思いっきり跳ねる。
なぜなら…
私の頬に温かいものが突然触れたからだ。
眼鏡がないせいで、ハッキリとは分からないけど…
おそらく九条君の手…。
「やめてよ!いきなり触らないで。」
イスを後ろに引いて離れようとするけど、九条君がイスに足を引っ掛けているようで、全く動かない。
「それじゃあ…、笑わなくてもいいから、少しだけ俺に見せてよ。その可愛い顔と、綺麗な瞳を…。」
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