「やっ…!何やってんのよ!眼鏡返して。」
慌てて私は手を伸ばすけれど、眼鏡がなくなったことで視界がぼやけてしまい、周りをキョロキョロと見回してしまった。
「やっぱり可愛いな。写真の中の紗智は眼鏡外してたから、早く間近で見たかったんだよな…、俺。」
「そ、そんなとこまで見てたの!?」
「…というよりも、写真を見た瞬間にすぐに気付くだろ?紗智が眼鏡してねぇんだから。」
…そんなに気付きやすいかな?
っていうか、普通…気付いたとしても、そんなのどうでもいいことでしょ?
眼鏡を無理やり外してまで見る必要ある…?
ぼんやりと視界に映る九条君に向けて冷たく視線を送った。