それから、
1週間が経った頃だった。

この日、
初めて翔としゃべったんだ。



授業が終わる前に先生が

「係の人はノート配っといてね」

と言って、教室を出て行った。


あたしは、休み時間
ぼうっと窓の外を眺めていた。

その時、視界の端に
キョロキョロと
あたりを見渡す翔が
目に入った。

ノートの束をもって
配ってる。

もしかして、係なの?

つい見てたら目が合った。


「桜井、春奈?」

突然話しかけられた。

びっくりしながらも

「そうだよ」

と返す。

ん、とノートをもらおうと
手を伸ばした。