「別に？ とくには」
「……そっか」
なんだ、出ないんだ。
私、いつからこんなにナルシストになったんだろう。
私が壮吾を想う度に、壮吾も私の事を想ってくれているんじゃないかって錯覚してる。
「うそ」
え？ と、目の前のレオくんを見上げると、ふいっとそっぽを向いた。
「あんたのことを聞く時だけ、俺に電話してくる」
「え……。ほ、ホントに？」
ドクンと、心臓が高鳴った。
体中が一気に熱くなる。
ああ――。
私、恋、してんだなあ。
「うそ」
そう言ったレオくんは、私に視線を戻し、フンと鼻で笑った。
「えー!? どっちなの？」
「さぁ、どっちでしょう」
「酷いよ、レオくん。そこいじるとこじゃないよ。本当の事教えてよ」
「やだ」
「どうして？」
「やだから」
ブスッと頬を膨らませて、レオくんを睨む。
「教えてやんない」
