翌日。



結局、俺達はスナックに向かっていた。



不機嫌な俺に気を使ってくれる喜多先生。





「まあまあ、新垣先生。機嫌直して」



「別に・・・・・・」




直にどう言おうか、そればかり考えていた。





荒井先生っていう数学の先生は、俺より年下だった。



大人しい先生だったが、山畑先生と意気投合しているところを見ると・・・・・・女好き?





「俺の行きつけの店なんですよ」



山畑先生はそう言いながら、足早に歩く。



スナックなんて行くのは何年ぶりだろう。


直と出会ってからは一度も行ったことがない。



教師になりたての頃に先輩に連れて行ってもらった遠い記憶しかない。





俺と喜多先生は重い足を、何とか持ち上げながら歩いていた。