抱きしめてもらえなくても、ちゃんと愛を感じていたんだよ。 先生のありったけの愛、ちゃんと届いてたんだよ。 だから、乗り越えることができた。 「お前が俺のことばっかり見つめるからぁ」 「だって、好きなんだもん」 「うん。伝わってたよ」 先生は手を伸ばしてカーテンを開けた。 あの頃と同じ。 月が優しく私達を見守ってくれていた。