「本当はもう許してる。自分でもわかってるんだよね。だから会いたくない。会ってドキドキしたりするのが嫌なの。悔しいの!!」




「ひどいことされたのに、まだ好きって思えるならそれはそれでいいんじゃないのかな。今まで沙織が好きになった男の人とは違うってことじゃない?」





沙織は、頭を抱えて悩み出した。



今まで、こんなにも悲しかったこともないしこんなにも苦しいこともなかったと言いながら、ほんのり頬を赤らめた。





その日、先生にそのことを話した。


私と似たようなことを言ってくれたので、またまた嬉しくなる。





「始まりが最悪な分、これからうまく行くかもしれないな。傷付けられてもまだ嫌いになれないってことは沙織ちゃんは本気になってるのかもな」




「そうなの!私も昨日までは大野さんに怒ってたけど、沙織が許せるなら私もそれでいいんじゃないかなって思ったんだぁ」