「誰かいたら教えてね。恋を忘れるには新しい恋!!」
前向きな沙織を見ていると、ちょっぴりうらやましくなった。
私だったら、絶対にそんな風に考えられないな。
あ、でも・・・・・・
私も先生を忘れるために、新しい恋を探したことがあったっけ。
もう忘れてしまいそうな昔の話だけど、私は・・・・・・
先生に少しだけ似ていたたっくんに、先生を重ねてしまった。
そして、好きかどうかわからないのに、付き合ったんだね。
「どしたの?直」
「ううん。思い出してたんだぁ。私も先生と別れた後、辛くて辛くて他の男の人を好きになろうとしたことがあったなって」
「え!嘘!!直と先生って別れたことあんの?」
びっくりする沙織に、その頃のことを話した。