もう畑中との旅行のことは忘れよう。
担任でもないんだし・・・・・・な。
いつか、大人になったアイツと・・・・・・旅行できる日も来るだろう。
俺は、直の指に指を絡ませながら、鴨川のほとりに腰を下ろす。
「直も座れよぉ」
等間隔に並ぶカップル。
今日くらいいいだろう。
今まで、ずっと我慢してきたんだから。
外でイチャつくなんてこと、不可能だった。
こんなにたくさんの人がいる中で、直とこうしていることが夢のようだった。
「今までこんなことできなかっただろ?ここでは、誰も俺達のこと知らない。誰も俺とお前が教師と生徒だったなんて思わない」