畑中のことで話をしてから、何度か話すようになったけど、考え方や生徒への熱意が俺に似ていて、気が合う人だった。




喜多先生と同じように、同性の同僚のように感じていた。





やっぱり行けない。


学校の旅行じゃないし、あくまでも個人的な旅行。



同僚だし結婚しているとは言え、女性と一緒に旅行なんて。




畑中の為には、実現させてやりたいけど・・・・・・俺には無理だ。




直に言えないし、もしも言ったとしたら直は快くOKしてくれるってわかるから。



だから・・・・・・








「でも、やっぱり断ろうと思う。特定の生徒と旅行ってのもちょっとな。またいつか畑中が大人になってから行くことにするよ」







直はちょっと残念そうな顔をして、私の為なら気にしないでねと何度も言った。






俺、気にしすぎなのかな。





直は、俺が思っているよりもずっとずっと自立していて大人の女性なのかもしれない。





俺が、いつまでも“高校生の直”を引きずってしまっているだけか・・・・・・