「あの角曲がるの?」
直に話しかけられて、ハッとする。
「あ、ああ。もうすぐだよ」
「先生もおみやげ買わないの?」
「俺?俺はいいよ。あ~、でも、喜多先生には買おうかな」
「そうじゃなくて・・・・・・七緒ちゃんに、だよ!!」
七緒に?
あぁ、そうか。
そうだな。
直は、俺が七緒のことを忘れようとしているんじゃないかと心配してくれていた。
忘れようと思っているわけじゃないけど、正直言えば・・・・・・考えることを避けていた。
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