「違うよ・・・・・・先生」




「うん。わかってる。お前は俺がこういうことを言うと、そんなことないよって言ってくれる。幸せだったよって言ってくれる。それが嘘だなんて思ってない。直は、幸せだったって思ってくれてるんだ。でも、俺としては・・・・・・もっとお前に高校生らしい幸せをあげたかったなって思うんだ」





こんな風に、彼女のことを想ってくれる人っている?



先生は、私よりも苦しかったはず。




教師という立場で、生徒である私と付き合って・・・・・・その愛を守る為にいっぱいいっぱい頑張ってくれたんだ。





先生が言うように、先生が高校生だったら・・・・・・って考えることはある。





一緒に自転車に乗ったり、手を繋いで下校したり・・・・・・教室で手紙交換したりって。




でも、気付くんだ。




先生が高校生だったら、私は好きになっていたかどうかわからない。






私が好きになったのは、高校の体育の先生をしている新垣和人。






大きな体で怖そうなのに、笑うとかわいい顔で。






すぐに寝ぐせのついちゃう髪。



低い声。





白いジャージが似合う。




そんな先生だもん。