「先生何、お願いする?」



「ん?」




右手であごひげを触る。


旅行に来るとひげが伸びる。





「願い事は人に言わない方がいいんだよね」



「ん~、そうだな。言わなくてもわかっちゃうのが俺達だけどな」





不安定な形の石の階段を10段ほどのぼると・・・・・・



「うわぁ。綺麗!!」



「おお~!!」





色とりどりの紅葉。




道の真ん中に小川が流れていて、その川には小さな鯉がたくさん泳いでいた。



そこから、後ろを振り向くと、さっき上った階段の下がまた美しくて。





「ここで、写真撮るか?」




同じことを考えていたことが嬉しくて、先生の腕に絡みつく。




「うん!!うん!!」