「はい、到着~!!」



先生にポンっと背中を叩かれて、顔を上げる。



ここも絶対に行きたいとふたりで言っていたんだよね。




「ひとつだけ願いを叶えてくれるんだね、ここ」



「ああ。欲張りな直は、ひとつに絞れるかな?」





黄色や赤に染まった紅葉のアーチの下を歩く。



ひとつだけ願いを叶えてくれるという神社。




しっかりと手を繋ぎ、ゆっくりゆっくり歩いた。





ふたりとも、京都に来てからタイムスリップしちゃったみたい。





私と先生のふたりの歴史を振り返るように、高校時代を思い出していた。