遠い遠い存在。



憧れの体育の先生。



みんなの人気者で、ちょっと怖いけど、実は優しい。



背が高くて、がっちりしていて、低い声で怒鳴ったかと思うと、かわいい顔で笑ってくれる。



先生のこと、本当に本当に・・・・・・好きだったなぁ、私。



もちろん今も大好きだけどね。






「本当に先生のこと、好きだったなぁって思い出してたの。高校の頃・・・・・・」



「過去形?」



「今とはまた違う好き、かな。遠い存在で、ただ見てるだけで幸せだった」



「そんなこと言って、見てるだけじゃなかっただろぉ?だから、俺は直に惚れたんだから」





恥ずかしくて、目をそらす。



見てるだけでいいって言いながら、やっぱりそれだけじゃ嫌だった。




近付きたかった。



特別になりたかった・・・・・・