―ねがいごと― なぜかゆっくり歩きたくなる道。 声も自然に小さくなるような。 何十年も続いている老舗の旅館。 細い小道の先に大きな丸い石があり、そこが玄関へとつながっている。 丸い池の中を覗き込むと、朱色の鮮やかな鯉が3匹私達を見つけて寄って来た。 「いいね、ここ」 「静かで落ち着くな」 こんな静かな素敵な宿で先生と一晩過ごせるなんて。