「素敵な人だね」



階段を上りながらこっそりお姉ちゃんに言う。



「そう?だっさいよ」



照れ隠し。


顔が赤くなるお姉ちゃんを見て、なんだかかわいいと思った。




私達より少し前を歩く先生と高森さん。




「それにしても、運命的な出会いですよね。そんなことが現実にあるなんて」



先生は、両手にお墓に供えるお花を持っていた。





「そうですね。驚きました。今まで会ったことのないタイプの人なんで今でも毎日振り回されてますけどね」




チラっと後ろを振り向いた高森さんは、お姉ちゃんにお尻を叩かれていた。





お似合いのふたりだと思った。





全く違うふたりだからこそ、一緒にいて楽なのかなと思った。




穏やかな生活もいいもんだよねってお姉ちゃんは言った。